第1話 破壊的な人生

8年は、一瞬だった。8年後、英語が全く話せなかった顧海は外国人のようになっていた。顧海が海外へ行った時、偶然出会った李烁はカナダへ移住していた。海外での生活について話していると、李烁はため息をついた。「中国にいた頃が懐かしいですよ。お正月に…

第208話 青春の終わり

車は急カーブして道路へとぶつかった。白洛因の心拍は飛び跳ね、加速させながら顧海を見た。 「今日はどうしたんだ?」顧海は機械のようにぎこちなく笑った。 「少し目が覚めたよ。」周りに車は少なく顧海は安堵のため息をついた。ブレーキが故障したとして…

第207話 あなたと一緒に居たい

顧洋が去った後、顧海が寝室へ戻ると、白洛因はまだ椅子で眠っていた。髪は半分濡れていて、もう半分だけ乾いている。顧海はドライヤーを手に取って、怒りから冷たい風で、白洛因の髪を乾かした。夏だが家のエアコンは低く設定されているので全く暑くない。…

第206話 欲望

大学入試終了初日、学生は自主的に教師感謝祭を開いた。教師と生徒の開く、初めての宴会。特に、数学教師の言葉は白洛因を感動させた。 「白洛因、授業中あなたが寝ているのを見る度、とても気分が悪かったわ。大学では授業中に寝ないで、ちゃんと夜寝なさい…

第205話 卒業

五月一日の休み(May day)の後、顧海と白洛因は学校へ行った。教室はスモークと戦争の香りに包まれ、女子生徒も頭を振り切って授業を受けている。後列の生徒も正直に受けていて、いつもは寝ている生徒でさえ起きていた……顧海と白洛因がゆっくりと教室へ入ると…

第204話 息子の家

最近、軍ではなにも悪いことが起きない。顧威霆はその日突然、白洛因と顧海が住んでいた家に向かうことに決めた。ドアを開けると、長い間窓を開けていないからか、部屋からくすんだ香りがした。顧威霆は窓を開けて、外の賑やかな商店街を見ると、車は常に流…

第203話 愛してる

ナム湖からの帰り道、2人は八井泡温泉に行った。ここの温泉は地下数百メートルから湧き出ていて、湯煙が空まで届くようだった。白洛因は少し目がくらんでいると、温泉旅館の店主が出てきて、笑顔でそう遠くない場所に置いてある卵を取って顧海と白洛因に渡し…

第202話 チベットへ

「この車はどうだ?」豪華なオフロード車が白洛因の前にあり、ランドローバーの特別仕様車だ。「なんでこんな高い車を?」「金は?」 顧海は車のドアに寄りかかりながら、なんてことの無い顔に笑顔が隠されている。 「買い替えた。」白洛因は目を細めた。 「…

第201話 大晦日

大晦日、軍事基地は静寂に覆われていて、正月の雰囲気が全く感じられない。姜圆はため息をついた。 「去年の旧正月には息子もいたけど、今年は2人きりで過ごすのね。本当に悲しいわ。」顧威霆は姜圆を見て、穏やかに言った。 「今年は1人にしたほうがいいか…

第200話 顧海の悪趣味

1分後、顧海が戻って来るのを、白洛因は酔っ払いの目付きで見守っていたが、手に持っているものを見た瞬間に驚いた。彼は顧海が明らかな見た目をしたおもちゃか媚薬とかを持ってくるだろうと思っていたが、その手にはぶら下がってあるのは2つの衣装だ。スケ…

第199話 若いカップル

「えっ、なんであっちから来たんだ?」 白洛因は驚いた顔で顧海を見た。顧海は唇が紫になるほど心配していたが、白洛因の手に持っているサンザシ飴の束と、口元に残る飴を見た。 ー怒られるとは思ってないのか?顧海は怒鳴った。 「どこに行ってたんだ?」白…

第198話 顧威霆の監視

白洛因が去ってから、白漢旗は必死に来ないようにと熱望していたが、ついに顧威霆が来てしまった。顧威霆が白家の小さな中庭に足を踏み入れると、邹叔母さんと白漢旗はキッチンで忙しそうにしており、煙突から白い煙が立ち上るのほど、中には全体に肉のにお…

第197話 待ち伏せ

その日、顧海と白洛因は電話番号を変え、白漢旗も息子と話すためにカードを変えた。2人は1週間、特別な事情がない限り外出しないよう慎重に行動し、1週間経つと顧洋に会うことに決めた。3人は隠れた店で会い、食べながら話した。「髪切れよ。」顧洋がそう言…

第196話 2人の少年

顧海はもう追っ手が辿り着けない所まで運転し、美女は後ろで静かに座っている。顧海はもう安全だと確信し、来た道に沿って戻ろうとした。「前の信号で引き返すのよ。」美女は突然口を開き、顧海は後ろに座っている存在に気づいて感謝した。「俺は追われてい…

第195話 襲撃

2人が青島に来てから、あっという間に2週間経っていた。泊まっていたホテルもやめ、部屋を借りるようになった。節約できるし、頻繁に外に出ることも避けられる。昼間は猫が部屋にいながら宿題を見て、夜はビーチで散歩する。そんな楽しい日々を送っていた。…

第194話 姜圆の後悔

午後、顧威霆の車が停まると、局長は急いで会いに行った。「顧長官!どうして事前に教えて下さらなかったのですか?言ってくだされば迎えを寄越しましたよ!」顧威霆は無表情で歩き、局長は部下に顧威霆にお茶を出すように伝えたが、顧威霆は手を振って拒否…

第193話 花嫁

「俺を見てろ。」顧海は立ち上がって、海に向かって叫んだ。 「顧海、男、18歳、北京から来た。隣に座っているのは俺の妻で、去年の今日の2日前に恋に落ちて、1年目の日に旅を始めた!どんな困難が待ち受けても、勇気を持って前に進むぞ!」白洛因は砂に埋め…

第192話 宿泊先

車を進めている途中、白洛因は顧海に電話で尋ねた。 「西に進んだら海が見えるか?」「そうだな。このまま運転すれば西ヨーロッパに着くから、海が見えるだろうな。」白洛因はしばらく黙っていたが、静かに言った。 「海のある街に行くのはどうだ?」顧海は…

第191話 愛の旅

トンネルに住んだ初めの日、顧洋は顧威霆が自ら自分を探すことを祈っていたが、2人が逃げられるように、顧海のために時間を稼いでいた。翌日になると、顧洋はこんな人が住むために作られていない場所に耐えられなくなった。寒いのが一番耐え難い。鍵は湿度だ…

第190話 脱出

白洛因はそんなことは聞かずに話を続けた。「あいつの死ぬ前の顔は青く、古い樹木の様に唇は乾き、喉が渇いたと言って指を噛んで血を飲んでた。……兄さん、腹が空いたよ。腹の中は土から掘った根と虫でいっぱいなんだ。……兄さん、寒いよ。つま先は割れて、血…

第189話 顧洋の元へ

昨日顧威霆に酷く殴られても、白洛因は涙を流さなかったのに、白漢旗の言葉を聞いた途端、突然喉が詰まってしまった。「父さん、俺はこの関係で父さんの心を壊したのに、なんでそんなことが言えるんだ。顧海が苦しんでるのを知ってるか?あいつの父さんはあ…

第188話 権威への挑戦

「長官、もう3日経ちましたよ。」顧威霆はその言葉の今を知りながら聞いた。 「なにから3日だ?」孫警備兵は口にニキビができるほど、この2日間とても心配していたが、顧威霆はより穏やかになり、より恐ろしくなっていた。彼は顧威霆にとって、顧海がここで…

第187話 心配

たっぷり笑った後、白漢旗は3人が冷たい顔をしながら口角を上げて自分を見ていることに気づいた。邹叔母さんも白漢旗と一緒に笑っていたかったが、二人の顔を見た瞬間、口角を下げた。やっと姜圆が反応して、白漢旗の頭を叩き、顔を覆い隠した。「白漢旗、頭…

第186話 トンネルの発見

安心してから2週間後、この日、軍にて保安検査が行われた。その結果、顧威霆と孫警備兵の部屋に問題が出た。監察部は明記せず、状況を確認するために2人のモニターを送った。「なんだ?」 孫警備兵は驚きの表情をした。 「私の部屋になにか問題がありました…

第185話 優しい父

顧海と白洛因は一度家に帰って荷造りをすると、白漢旗の家へ向かった。夕方になり白漢旗がちょうど仕事から帰ってきた所で、邹叔母さんはキッチンで料理をしていて、孟通は庭で遊んでいて、その雰囲気は幸せな家族だった。二人は黙ってドアに立ち寄った。白…

第184話 朗報

顧威霆が寝ようとした時、顧海は既に眠っていた。部屋の灯りを消そうと、顧威霆の手がスイッチに触れたが、押せなかった。顧威霆は突然顧海の事をちゃんと見たくなって、寝ている顧海の近くへ寄った。幼い頃から今まで息子のことをこんなにも注意深く見たこ…

第183話 突然の帰宅

顧海はバスルームに向かい、シャワーを浴びて泥を洗い流していると、白洛因はベッドに横になっていた。……今日はちゃんと分かってる! 顧海は口角をあげて笑った。毛布を取って、ベッドに横になっている白洛因を見ると、その体はまるで無機質のようだった。顧…

第182話 ネズミ

精神科医が去った後、顧海は二人の特殊部隊員に小さな講堂へ連れられて、一人で劇を見せられていた。その内容はAVの様なもので、男性がコスプレをした沢山の巨乳で尻の大きい女性を、皇室を選択する皇太子のような劇だった。顧海はなんとも思わず見ることが…

第181話 洗脳計画開始

殴られたあと、顧海は腫れた口で朝食を食べ、顧威霆は対面に座りその姿を見ていた。「一生見続けるつもりか?」顧威霆は冷静に返した。 「お前が生きている間ずっと眺め続けるつもりは無いが、私が生きているうちに、お前の自由はないと思え。」顧海は食べる…

第180話 父と息子の交渉

「愛?」 顧威霆は凝視した。 「ここに恥も知らずに愛について語る二人の男がいるのか?」言った後に顧海に向かって真っ直ぐと歩き、その襟を掴んで、ドアに投げつけようとした。顧海は咄嗟に対応して、足を安定させたので、顧威霆は顧海に怒りをぶつけるこ…