2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

第23話 幸せ

顧海は眉をひそめ、資料ファイルを見ながらも意識は他に飛んでいた。俺と白洛因って結局どうなったんだ?理論的には一緒にいても、物理的には離れ離れのままだ。後から考えてみれば絡まっていた糸は解けたものの、どちらからも"付き合おう" "好きだ" とは言…

第22話 静かな日々

顧海は墓地を出発すると、真っ直ぐ家へ帰った。顧威霆はリビングのソファに座り、姜圆はキッチンで料理を作っている。顧海が入った途端、顧威霆の顔は変わった。彼の顔は日に焼けて、体は泥まみれで、まるで人ではないようだった。顧威霆は彼を眺めていると…

第21話 与えられ続ける危険

2人はその硬い地面で3日間過ごし、その間、捜索用の2機のヘリコプターが飛んだが、低空で飛ぶだけで見つけてはくれなかった。リュックの中の食料も尽き、白洛因はここから離れることを決めた。多少のリスクはあるが、ここで座ったまま野垂れ死ぬよりはマシだ…

第20話 顧家

空が瞬く間に暗くなり、白洛因は顔を向けて顧海を見た。「なぁ、ここにずっと座って助けを待つのか?それとも夜明けに帰るのか?」「帰る?」 顧海は冷たく鼻を鳴らした。 「こんな沼に囲まれてるのにどうやって帰るんだ?俺が来た時に、お前は俺を帰すこと…

第19話 温もり

白洛因は食べ終わると、反対側に向かって叫んだ。「こんな危険な所に、お前の嫁も連れてきたのか?」俺の嫁? 顧海は白洛因の言う嫁が誰なのか分からなかった。「お前の言ってる嫁って誰だ?」顧海が叫ぶと、また白洛因が叫んで返した。「結婚したんだろ?」…