第174話 再開

放課後後、白洛因は尤其と歩いていた。

 

顧海は出国してから、白洛因と尤其の親密さは上がり、杨猛に対しての共通の話題をよく話していた。今日の議題は「最も仲のいい友達が、彼氏を連れてきたら」だった。

 

今日、尤其は珍しく「顧海はいつ帰ってくるんだ?」と聞いた。

 

白洛因はまるでおじいちゃんのように言った。

「もうあの人のことは本当に忘れてしまったよ」

 

ちょうどそう言い終わると、顧海から電話が来た。

「因子……帰国したよ。空港まで迎えに来てくれないか?」

 

白洛因はわくわくしたその表情を尤其に見られたくなかったが、コントロールを失ってしまっていた。スマホを置いて尤其には何も言わずに、十秒もかからず校外へ走っていった。

 

尤其は何も出来ず白洛因の背中を見続けていたが、尤其の心はぽっかりと穴が空いたようだった。

 

杨猛はちょうどその時道を通り掛かったが、急いで隠れた。尤其は絶望的な顔をしていて、好奇心が抑えられず、尤其に向かって歩いていった。

 

「ねぇイケメン、どうしちゃったの?」

尤其の隣に突然は肌白で筋肉なんてなさそうな小柄な男が並ぶと、その心は崩壊した。杨猛のネクタイを掴み、意味もなく振り、杨猛しっかりと立てばまた、同じことを十回繰り返した。

 

か弱い杨猛は脳が揺さぶられ、自分が何をしているのか分からなくなった。

 

「なんであいつのことなんて忘れたって言ってたのに、電話が鳴った瞬間消えたんだよ!なんで声が聞こえたんだ?なんで俺が二人の会話を聞かなきゃならないんだよ!」

 

杨猛は目を白黒させて「耳がいいんだね」と笑った。

 

 

 

 

白洛因の心臓はずっとバクバクしていて、ちょうど昨日もう当分会えないんだと考えていたから、まさか今日会えるなんて思いもよらなかった。三十分間タクシーに乗り向かっている間、近くなるに連れて心臓はより鼓動を早めた。

 

タクシーを降りようとしている時、運転手がお釣りを探している時間を利用して、心を落ち着かせようとした。

 

 

 

一方、顧海は荷物が流れているところで全てのお土産が届くのを待っていた。隣にはサングラスをかけた顧洋が無関心な顔で立っている。

 

「まだか?」

 

顧海はお土産の数をはっきり覚えていないため「多分あと二個」と答えた。

 

顧海は荷物が届くのが待ちきれなかった。

 

白洛因は顧海の後ろで待っていた。制服を着ている白洛因の顔は誰もが親しみやすい様な笑顔で、確かに顧海のことをみていた。顧海は二十日ぶりに夢ではない、現実の白洛因の顔を見ることが出来て、この感情を表現することが出来なかった。

 

顧海は急いで白洛因に向かって歩いていき、その体をしっかり抱きしめた。

 

「会いたかった」

 

顧海はそう言うと暖かい白洛因の頬を自分の首に押し付けて、今まで失われていた白洛因の体温を感じていた。

 

二人は一分経ってもそのままで、隣に立っていた顧洋は早く終わらせるように咳をした。

 

「離れて咳しろよ!」
顧海は顧洋に怒鳴った。

 

その後、顧洋はさりげなく白洛因の耳に手を添えた。

 

もし顧洋が銃を持っていたとするなら、今すぐにでもこの退屈な光景を繰り広げる二人を殺していただろう。


白洛因が先に顧海を押し退け、顧洋に目を向けると、顧洋はサングラスをかけているため、どのような表情をしているのかわからなかったが、それでもサングラスに隠れている瞳がどれほど冷たいものなのかはわかった。白洛因は顧洋が期待したように無視することは無く、口角を上げて小悪魔のように微笑んだ。

 

 

三人が外に出て歩いていると、顧海は顧洋にどこかに行くように指示した。

 

「因子の家に帰るから」

顧洋は分かったともダメだとも言わなかった。

 

白洛因は少し正気を取り戻してきた。
「だめだ。お兄さんは長い間中国に居なかったんだから、慣れるまで一緒にいてやれよ。」

 

「俺が助ける必要ないだろ」
顧海は口笛を吹くように「なぁ、兄さん?」と言った。

 

顧洋は眉を上げて答えた。

「たまたま友人がいるから大丈夫だ」

 

深くは言わないで振り向かずに去っていった。

 

顧海は白洛因の脚を撫でながら言った。

「何見てるんだ?」

 

白洛因は振り返って聞いた。

「なんであのかっこいいお兄さんと一緒に帰ってきたんだ?」

 

顧海は暗い顔をして「かっこいいは余計だ。」と言うと、白洛因は微笑んだ。

 

白洛因の笑顔を見た時、顧海は白洛因の顔を見つめて動けなくなってしまった。彼がどれほど白洛因に会いたかったのか、どんな言葉を何度繰り返しても足りない。今回の旅行で、顧海は自分の妻がいなければどこに行っても、何をしても生きていけないと感じた。

 

「家に帰ろう」
顧海は自然に白洛因の肩に手を置いた。

 

白洛因は冷たい目をしながら、これ以上荷物がないか聞いた。

 

顧海の後ろには、二つのショッピングカートが置いてある。

 

「なんでこんなに買ってきたんだ」

 

「プレゼントだよ」

 

白洛因はショックを受けた。
「これ、全部俺に?」

 

「もちろん。昨日お前が好きそうなものを買ったんだ。きっと気に入る。」

 

白洛因は呟いた。
「お前…本当に旅行しに行ったのか?」

 

「はぁ!?お前を幸せにするために俺がどれだけ苦しんだかわかってるのか!」


顧海はこのプレゼントかどれだけ素晴らしいことなのかを語った。

 

白洛因はプレゼントが沢山入ったカートを見て、絶句したが、なにより無事に帰ってきてくれて良かったと思った。

 

 


タクシーに乗ると、顧海と白洛因は後ろに座った。顧海は肩を組むふりをして、洋服に手を突っ込んだりした。白洛因が固まると、白洛因の肩に頭を預けて、軽食でも食べようかと考えた。

 

白洛因の警告は何度やっても役に立たず、結局顧海の手をそのまま家に着くまで掴んでいた。

 

エレベーターの個室の中で、白洛因は喘ぎ声を上げた。階が上がる度に、その声が上がる頻度も増える。

 

ドアが開くと、二人は一瞬でお互いの息に流された。

 

顧海はドアに白洛因の頭を押さえつけ、激しくキスをし、舌を入れた。白洛因の頭は空っぽになり、両手は顧海の首を引き寄せ、必死に顧海の舌に答えて、彼の息までもを奪った。

 

穏やかだった海が、巨大な波のように胸に息を吹きかけ、波打つ胸が白洛因を岸に向かって追いかけた。

 

顧海は白洛因の鎖骨を噛み、白洛因の手は、滑らかで硬い顧海の胸に触れた。下腹部はお互いの情熱を待っていた。

 

二人がベッドに落ちると、白洛因は顧海の服を脱がせ、左胸の小さな突起を噛んだ。

 

顧海は唸り声をあげる。

「そこはいいから…はやく…」

 

顧海はすぐに白洛因を押し倒し、ズボンの中に手を入れ、邪魔な服を脱がせ、元気な小さい怪獣を見つけると、荒い指で優しく撫でた。

 

白洛因はその体を弓のようにして、耐えるような顔をしていた。

 

顧海の手は段々と下がっていき、二つの小さな玉を通り過ぎ、秘密の場所へとたどり着いた。

 

「シャオハイが早く欲しいだろ?」

白洛因が耐えきれずに息を漏らすと、顧海が笑っているのを見て、顧海を噛んだ。

 

顧海はもっと笑顔になって、白洛因の顔を横向きにすると、耳に自分の胸を当てて、その熱狂的な心拍数を聞かせた。白洛因は喘ぎ声を上げながら、顧海の腹に触ったあと、段々と下がっていき、下着の上からそれを撫でた。

 

顧海は白洛因の足を広げ、それを白洛因に押し付けて、頬を撫でたり愛情を込めて触れ合っていると、徐々に呼吸が荒くなっていった。

 

しばらくして白洛因が話し出した。


「先にものを片付けて、お風呂に入ったら、何かを食べよう」

 

顧海はその口元に邪悪な笑顔を纏わせながら、白洛因の顎を掴んだ。


「俺はお前を食べたい」

 

「十時間も飛行機に乗ってたんだ。絶対に疲れてるだろうから先に休もう。」

 

「疲れてない。」


顧海は白洛因の反抗的な体を掴んだ。
「お前を犯すのは本当に力がいるよ」

 

白洛因は顧海の口元を殴ったが、顧海は構わず白洛因の下着を脱がせていった。

 

「俺の話を聞け。」
白洛因は厳しく話した。

「お前が帰ってきてからろくに会話してないだろ。」

 

顧海は一瞬で固まり、すぐに白洛因の笑顔を見て頬をつまみながら優しく言った。


「風呂は絶対一緒だぞ?」

白洛因は顧海の髪を撫でて、同意した。

 

 

 

二人が顧海が持ち帰ってきたものを片付けていると、白洛因はその中から、かなり値段の高いものを見つけて、その資金源について問いただした。

「あぁ、それか」
顧海はカードを取り出して、白洛因に投げた。

 

白洛因は何気なく聞いた。

「お兄さんに何があったんだ」

 

「資金横領」
顧海は苦し無ことなくサラッと言った。

 

白洛因は顧海に投げられたカードを引き出しにしまったが、それを聞いて取り出し、顧海に投げた。

「これは俺のために使うなよ!」

 

顧海は面白がって笑った。
「その金は綺麗な金だよ」