第175話 ずっと一緒にいたい

二人は浴槽で足を絡ませながら、まるで何年も会えていなかったように、お互いの表情を何も見逃さないようにじっと見つめていた。

 

久しぶりに、白洛因が口を開いた。

 
「お前、痩せたか?」

 

「そうか?」

顧海は白洛因の腹を撫でながら言った。

 

「お前に会えないと、寝るのも食べるのも嫌になって、痩せたんだろ」

 

白洛因は再度尋ねた。
「お兄さんはまたあっちに戻るのか?」

 

「しばらくこっちに居たら、今回よりも長くあっちにいるよ」

 

白洛因は考えていたが、顧海の注意はもう他に向かっていて、白洛因の脚をつま先で辿り、膝を小さな因子に押し付けた。こっそりと手を伸ばして、小さな因子を守る毛をエロティックに掻き分けた。白洛因は鋭い目をしていたが、そんなことは気にもとめず、舌先で水面を辿りながら、白洛因の濡れた胸の突起へとたどり着いた。その突起を噛まれても、白洛因は平然を保っていたが、そのうち噛む力が強くなって行き、鼻を鳴らすしか出来なくなっていた。

 

「顧海……」

 

「ここにいるよ」

顧海は息を吹きかけて、白洛因を震わせた。

 

白洛因はずっとされるがままにされていたが、顧海の大きくなっているものを見つけるとしばらく遊んでいた。顧海が快楽で丸まっていくのを見て、背中を叩いた。白洛因は顧海の怒張したものを、暖かい口で迎えこむと、顧海はもう既に出してしまいそうだった。

 

「因子ァ……」

顧海が囁いた。

 

白洛因は瞼を上げてちらっと見て、そのままゆっくりと口を下げた。長い間お互いの体に触れていなかった為、どれくらいの刺激を与えるべきなのかわからなかった。

 

顧海の呼吸は重くなり、白洛因が舌先で突くと不規則になっていき、顧海は脚の筋肉に力を入れて、白洛因の頭を押さえつけた。白洛因は喉が痛んで泣き声を上げても、白洛因の頭をもっと揺らして、気持ちよさそうに呻き声を上げた。

 

白洛因は頬が痛み、口角が切れそうになったので、口から顧海のものを出して、舌で周囲を舐めると、ゆっくりと顧海の敏感な部分を手で擦った。

 

「もしお前が拉致られたらどうする?」

顧海は白洛因の頬を撫でながら、困った表情をした。「実際には考えたくもないけどさ」

 

白洛因は根拠もなく不安になる顧海の妄想を無視した。

 

顧海は手を白洛因の後ろに伸ばして、しばらく腰を撫でたあと、指を差し入れた。ローションは無いし、しばらくの間使ってもいなかったため、白洛因は一瞬痛みを感じ、顧海は指に強い抵抗を感じた。

 

「使ってなかったみたいだな。」

 

顧海は白洛因の腰を持ち上げて跪かせ、指の代わりに舌を差し入れた。白洛因はこんな強い刺激を長期間受けていなかったため、腰を逃がそうとしたが顧海に引き戻された。

 

二人は再会できたことを心から喜んでいた。

 

ボディーソープを使って顧海はついに白洛因の禁断の地へと入っていった。二人は跪き、素早く腰を振ると、周りには水しぶきが飛んだ。顧海は白洛因の手を後ろで縛り、上半身を捻るように指示して、激しくキスをした。白洛因の体を下に落とすと、セクシーな腰つきを見て、そのハリと弾力を楽しんだ。

 

パンっ!

 

平手打ちの様な音が水の音に続いて鳴り響くと、白洛因は痛みを感じた。白洛因が耐えようとしてもすぐに次の音が鳴り響き、重くは無いものの体が震えた。未だその音は鳴り止まず、痛みよりも喜びの方が勝り、孤独を癒して行ったが、白洛因は抵抗した。

 

「やめろ……」

 

「好きだろ?」

 

顧海は白洛因よりも白洛因のことを理解していた。

 

顧海は疎らに白洛因の中をリズリカルに突き上げ、そしてそれらのどれもが熱を持っていた。

 

「あっ……あぁ……顧海……」

 

白洛因が喘ぎ声をコントロール出来なくなるほど、突き上げられ、心は抵抗を求めたが、体は快楽を求めて腰を押し付けていた。

 

顧海がスピードを上げ、唸り声を上げると、白洛因は開放された。

 

 

入浴後、二人は同じボディーソープの香りを纏いながら横になった。

 

「下に行ってなんか買ってくるから、それまで寝てろよ」

 

顧海はその言葉を聞いておらず、白洛因のバスローブを引っ張って邪悪な笑顔で言った。 

 

「そんなことより壊れてないか確認しなきゃな。」

 

白洛因の纏っていたバスローブが剥がされると、その中には下着を履いていて、顧海は驚いた。


「前までバスローブの下は何も着てなかったよな?」

 

白洛因はこれを言われると顔が赤くなった。以前尤其が泊まりに来た時から、ベッドにはいる時に下着を着ているか確認するよう習慣づけていた。当然、こんなことを顧海に言えるわけが無い。

 

「えっと……」

 

顧海はまだ酔っていた。
「遊んで欲しいのか?」

 

白洛因はベッドに横になって、死んだフリをした。

 

顧海が白洛因の下着を脱がせ、真っ白な肌に存在する淡く赤い場所を、熱い手で触れた。顧海は白洛因の尻に頬を当てて、しばらくすると舌でなぞった。

 

「やめろ……擽ったい」

白洛因は笑いながら顧海の頭を掴んだ。

 

顧海は鼻を鳴らして言った。

「もっと擽ってやろうか?」

 

白洛因が口を開く隙も与えずに、顧海は白洛因の尻を噛むと、白洛因の脚は震え、打たれた鯉のようにベッドの上を転げ回った。

 

顧海は白洛因の手を押さえ込み、体を裏返して、白洛因の敏感な所に自分のモノを擦り合わせた。

 

「まだするのか?」
白洛因は顧海の胸に手を置いて抵抗した。

 

顧海は白洛因の耳に近づき、舌先で耳たぶをからかいながら、柔らかい声で言った。


「もうしたくない?」

 

白洛因は諦めて、耐えるような顔をした。

 

顧海は小さな因子の先端を指先でからかうと、白洛因は眉をひそめながら唇を噛んで、顧海を睨みつけた。

 

「本当にしたくないのか?」


顧海はそれにゆっくりと口を寄せた。

 

白洛因はその瞳を熱で溺らせながら、顧海の首を掴んで、耐えられないとでも言うように喘ぎ声をこぼした。


「本気で言ってんのか?」

 

「ダメか?」

 

顧海が白洛因のモノをしっかりと掴むと、白洛因は呼吸もままならなくなった。

 

白洛因は顧海の手を痛いほど握ってしまい、怒ったかと心配したが、顧海は汗を垂らしながら楽しそうに笑っていた。

 

「犯して下さいって言えよ。」

 

顧海は白洛因がどこまで我慢できるかを試していた。

 

白洛因は唇を噛んだりして必死に耐えたが、顧海に愛されることを知っている体は耐えることが出来ず、しかも顧海はそのことを理解してやっていた。

白洛因の防御は徐々に崩壊していき、顧海の首に頭を擦り付けて、壊れた声で懇願した。

「犯して……」

 

「誰をだ?」

顧海は白洛因の首の一番弱い所を撫でた。

 

白洛因の呼吸は顧海によってコントロールされており、耳たぶを噛まれるともう何も我慢できなくなった。


「俺を……犯してくれ……」

 

顧海は必死に暴れそうになるのを抑えていたが、この言葉を聞いた途端、脳内で何度も再生されて、息を飲んだ。

 

長い間快感を与えられていなかった体は簡単に火をつけ、顧海は白洛因の顎を掴み、強引にキスをして、喘ぎ声を漏らした。


「因子ァ……お前を犯してもいいのか?」

 

白洛因は顧海の髪を掴んで、腰を引き寄せると、敗北と堕落の呻き声を上げた。


「あぁ……今すぐ犯してやるよ……」

 

顧海は白洛因の手を掴み、その真っ赤に燃えた瞳を見つめながら、その薄い唇、首、胸に噛み付いた。獲物をやっと捕まえた獣のように、必死に食らいついた。

 

「ベイビー……すっげぇ締め付けてる……めちゃくちゃ気持ちいいよ……」

 

白洛因は恥ずかしくなって顧海のことを殴った。

 

「なんで毎回そんなこと言うんだよ……」

 

「お前が好きだから」

 

顧海は両手で白洛因をしっかりと抱きしめながら、唇を耳に当てて悪戯に笑いながら囁いた。


「ベイビー、なんでそんなに弟のを美味しそうに咥え込むんだ?そんなに食べたいのか……?」

 

「もう黙れ……」

 

 

 

夕方になるとテイクアウトを買ってきて、ベッドの上で顧海は美味しそうに食べた。午後はずっと遊び続けていて、白洛因は顧海のその興味を消してしまいたくなった。

 

夜寝る前に、白洛因が毛布を被って寝ようとしていると、顧海はその足を広げて、白洛因のそれを口に含んだ。

 

白洛因はもう何度狂ったように抱き合ったのか覚えていないため、そこは腫れて痛くなっていた。顧海が口を動かす度に、白洛因は痛みを感じて涙が出そうになった。

 

「もうやめろ……なぁ……痛い……うぅ……」

 

顧海は白洛因が泣いている姿が好きだったので、白洛因が壊れたように泣き叫ぶ姿は、顧海にとって最大の喜びだった。

 

「あぁっ……」

 

顧海は一気に吸うと、白洛因が震えて達し、顧海は全てを飲み込んだ。

 

白洛因が落ち着くのを待って、その満足感に満ちた顔を見ながら、抱きしめた。

 

 

「寂しかった……」


顧海は白洛因のその疲れた顔にキスをした。

 

白洛因は深呼吸をした。


「やっと人間の言葉喋ったな……」

 

顧海は突然白洛因の首に頭を擦り付けて「因子……因子、因子、……因子」と何度も名前を呼んだ。

 

こんなに大きな男なのにまるで子供のように縋る姿を見て、白洛因はアランのことを思い出した。

 

「なにしてるんだ?」

 

白洛因は顧海を掴むと、顧海は目を細めた。


「お前が居なくて寂しかったんだ……」

 

白洛因はこうなっている人に話しかけない方がいいと分かっていたから、静かにタバコを吸った。

 

顧海はしばらくすると黙り込んで、白洛因が顧海の頭を上げると、眠っているのに気づいた。

 

こいつ、あんなことしといて寝やがった……

二十日間も海外にいて、十時間以上飛行機に乗れば、そりゃ疲れるか。


白洛因は顧海が本当は疲れていたのを分かっていた為、その頬を撫でて、毛布を掛けてやり、抱きしめて眠った。